つやま夢みのりグループ会員でもある山本 隆之社長にお話を伺いました。


写真_山本社長 写真_アンジェ
業務内容を教えてください
洋菓子製造、販売です。
どうして起業を?
大学を出た後、明石の食品会社(スジャータのめいらく)に入社しました。長男ですし、いつかは津山に帰りたいと思っていたのですが、営業で洋菓子店に行くうちに、
「そうだ津山で洋菓子店をすれば津山に帰れる」
と思い、9ヶ月で会社を辞め、当時店を始めたばかりで営業先でもあった神戸のアンジェに
「給料いらんから修行させて」と住み込みで入らせてもらいました。
(実際は給料をもらいましたけど(笑))
−洋菓子の世界に興味があったのですか
この世界に入ったのは人との出会い(神戸アンジェのマスター)がきっかけで、それまで客として洋菓子店に行ったことも無かったくらい(笑)、全くの素人でした。
好きとか嫌いとかの次元でなく、初めは津山に帰るため必死でやってただけで、やり始めてから好きになりましたね。
−修行は何年されましたか
最初に「5年で津山に帰らせて欲しい」とお願いしましたが、6年が経ち自分もチーフになってしまいましたので、責任もあり帰れずにいました。しかし、このままではきりが無いと思い無理を言って帰らせてもらいました。
帰ってからはいかがでしたか
津山に帰って店を構えたのがS61年4月でした。最初は明石から1人連れて帰り、アルバイトを雇って7名で初めました。それからいろんなことがありましたが、なんとか順調に来たと思います。

どんな方を採用したいですか
「将来自分で店を持ちたい」とか、「認められる職人になりたい」とか目標、目的がある子は残っていきますが、なんとなくとかちょっと面白そうとかで入ると挫折につながると思います。
外見は明るく、華やかに見えるかもしれませんが、本当に重労働ですから。
―せっかく社内で育った人が独立するのはつらくありませんか?ライバルも増える訳ですし(笑)
いやいや独立するのは本当にうれしいことですよ(笑)。自分もそうでしたし、例え市内で新しい店を始めたとしても、互いに切磋琢磨して全体の消費を上げて行けばいいと思います。
人材育成にどう取り組んでいますか
年4回外部講師を招いて仕事の取り組み方など指導してもらいますが、やはり私がいうよりちゃんと聞いて(笑)くれるようです。技能士の資格に挑戦する社員もいます。
また、私も年をとった(笑)ので若い社員と少しジェネレーションギャップを感じるようになりました。19年共に頑張ってきたチーフを通しての指示が多くなりましたね。
―中学生や高校などの職場体験も積極的に受け入れられていますね
中学校が4校、津山東高校、美作高校、岡山の専門学校と年間20人くらい来てますよ。洋菓子職人の道を志す子が早い内に現場を知ることが大切だと思うのでなるべく受け入れに協力しています。
例えばうちに来たいと思っている専門学校の生徒さんには、夏休みにまず来てもらい、更にクリスマス前のピークのときにも来てもらいます。表から見るのと作るのでは大きなギャップがあるので、それでもやりたいという子が残っていきますね。基本的には中学生も専門学校生にも同じことをさせますが、機転のきく子は数日間でもすぐわかります。
また、中学生の職場体験ではわずか3日間でも生徒にいろんな変化が出ています。社会貢献としても続けていきたい活動です。
趣味は
菓子作りですね(笑)。菓子はこれで終わりというのが無くいつまでも勉強で、常に新しいものへ挑戦しています。
どんな学生時代でしたか
大学時代は学校にも行かず遊んでばかりでした(笑)。生活費は自分で稼いでいたのでバイトはいろいろしました。特にバーテンなどの夜のバイトは世間の裏も見えて・・・話せない話ばかりですが(笑)サービス業を経験したことは役立ちましたよ。
目標は
洋菓子職人になりたい、店を持ちたい人は都会で修行すると思います。でも都会に行けない子もいます。そんな子が津山でもそん色ない修行ができる店でありたいと思っています。
また、お客様の欲求、要望にお応えし続けること。
洋菓子はファッションと同じで流行もありますし、ライバルは洋菓子店だけじゃなくて例えばコンビニです。コンビニには次々新製品が並び都会、田舎関係なく商品が供給されます。
私たちはお客様の顔を浮かべ手作りする訳ですから、その「感覚」を大事にしたいです。幸いにお客さんの評価はすぐにわかりますから(笑)。
H19年2月入社の山下 華世(やました よしか)さん(S63年生まれ)にお話を伺いました。


写真_山下さん
どうして入社しようと思いましたか
元々興味があったのですが、高校の就職活動で先生とマスター(社長)が知り合いだったので紹介して頂きました。
学生時代に何をしていましたか
中学はソフトボール部でしたが、高校3年間は「なぎなた」をしました。
−どうしてなぎなたを
なぎなたをやっていた兄の勧めです。
なぎなたの団体競技では全員が互いを信頼していないと力がでません。メンバーをまた、自分を信じるということを学んだと思います。
−今もされていますか
してないです(笑)。特に今は趣味も無く仕事一筋です。(笑)

入ってみていかがでしたか?現在の仕事を教えてください
入る前にマスター(社長)からきついと聞いていましたが、想像をはるかに超える(笑)ぐらいきついですよ。
最初は袋詰め作業で材料の計量やオーブンなどへの出し入れ、少しずつ作ることもやらせてもらえるようになってきています。
困ったことは何ですか
社会人になるまでは年代の離れた人とあまり接することが無かったので、上の方とどう接していいか悩んだこともありますが、今は慣れました(笑)。
社会人になって感じることは
礼儀が大事だと思います。また、今まで知らなかった日常の催事や例えばお歳暮でどんな人が何を贈るのかなど、興味の対象が広がった気がします。
これから就職する人へアドバイスするとしたら?
私は好きなことを仕事に選びましたが、好きなことなら続けられると思います。
実際、親からも「好きなことをしてるんだからすぐにあきらめて帰ってきたりするな」と言われています(笑)。
自社をPRしてください
地元の美味しいものを素材に「地産地消」を実践しています。安心して美味しく食べて頂ける洋菓子作りにスタッフみんなで取り組んでいますのでぜひ一度来店ください。
H19年3月入社の河合 理恵さん(S62年生まれ)にお話を伺いました。


写真_河合さん
どうして入社しようと思いましたか
高校生の頃にお客さんとして来て、ケーキの美味しさはもちろん、お店の雰囲気や接客がすごく丁寧だったことから、この店で働きたいと思いました。
入ってみていかがでしたか?現在の仕事を教えてください
初めは製造に入りましたが接客が好きなので5月からは販売チームに入って接客をしています。
販売チームの目標は「お客様の気持ちになって接客する」ですが、先輩から厳しく(笑)教えて頂いています。
社会人になって感じることは
高校生の時もバイトで接客しましたが、責任が全然違います。もちろん遅刻なんてできませんし(笑)。
これから就職する人へアドバイスするとしたら?
給料や休日などの条件より、自分がしたいことかどうかだと思います。私は接客が好きなので今の仕事が本当に楽しいです。

自社をPRしてください
社員の方は厳しいところもありますが、みんなプラス思考です。私は元々マイナス思考だったのですが、この会社に入って少しプラス思考になった気がします。人間的に学ぶことが多いですね。
また、マスター(社長)は顔も広く、いろんなところへ行かれてすごいと思います。このお店で一緒に働きませんか。
編集後記
明るく華やかな店内には甘い香りが漂います。
「津山だからこの程度とは言わせない」と山本社長。
あく無き探究心とこだわりはどの業種にも共通なんだなあと感じた取材でした。
(取材 灰原、沼)