

写真_福田ディビジョン長 写真_パナソニック エレクトロニックデバイス ジャパン 津山ディビジョン
業務内容を教えてください
携帯電話等の移動体通信機器やカーエアコン、カーオーディオで使われるスイッチやマルチファンクションなどの精密微細な電子部品を製造しています。
自社で設計はもとより材料調達から精密金型、製造機械までほとんど自社製作しているのが特長です。
−電子部品はpanasonicの製品だけで使用されているのですか
もちろんpanasonic製品でも使われていますが、自社製品のエンドユーザーは海外メーカーの割合の方が高く、多くの会社で採用頂いています。
実は主に携帯電話で使われるライトタッチスイッチやマルチファンクションはいずれも世界シェア1位なんですよ。
他にも携帯電話のテンキー部分に使われるスイッチモジュールやカーエアコンのエンコーダなども世界シェア3位以内に入っています。
−私の携帯電話でも使われているかもしれませんね(笑)
そうですね(笑)。携帯電話の使われ方は千差万別です、例えば押す力が強い人、ボタンの端ばかり押す人。場所でも砂漠や雪山、山の山頂など、どんな場所でどんな人が使っても不都合なく動作しなければなりません。
また、より小さく・より薄くがユーザーのニーズですので、対応する高い技術が求められています。
−それにしても本当に小さいスイッチですね
はい、現時点で世界最小のスイッチを自社で製造していますが、大きさは3mm×2.6mmです。
どうして入社されましたか
私は津山出身で大学は工学部に進みました。実は大阪の企業に内定をもらったのですが、長男でもあり実家からの「帰ってこい」との声に逆らえず(笑)、津山で就職先を探すことになりました。ものづくりが好きで「設計がしたい」と探した中でこの会社を志望しました。
入社後で印象に残っていることは
入社当時はVHS全盛期で、ビデオテープを出し入れする部分のセンサーの設計を手がけており、大変な忙しさでした。それこそ寝食いとわず(笑)働きましたね。
それと、2000年から2004年までドイツに駐在していました。それまでの技術者としての業務とは異なり、自分でアクションを起こさないと何も進まない状況で正直プレッシャーもありました。
「技術者の目でお客様や市場に接して新しいヒントを探しなさい」という事だと受け止めましたが、視野が広がり貴重な経験をさせて頂いたと感謝しています。
−海外と日本での商習慣など違いがありますか
アポイントを取り営業に行くにしても、あちらの方は愛想が無いですね(笑)。日本では取引などに直結しないにしても応対はきちんとして頂けることが多いですが、欧米ではいわゆるビジネスライクな対応をされました。厳しいですよ(笑)。
今、一番力を入れていることは
「1人の100歩より全員の1歩」という言葉を掲げていますが、全員活動・継続的活動を愚直に続けてきました。その結果が技能者資格保有者数でpanasonicグループ上位にくるほどの高度な技術者集団への成長に繋がったと思いますので、この流れを継続していきたいですね。
それと、自社は海外3工場(中国、ベトナム、マレーシア)のマザー工場という位置づけにもなるので、グローバルな活動ができる社員の育成が求められています。そうした意識を高め、語学力などの実務を含めてレベルアップしなければなりません。
人材育成にどう取り組んでおられますか
まず自分の仕事が製品にどう反映しお客様へ貢献できているか、ということを理解してもらうことが一番だと思います。何のための仕事なのかがわからないようでは、モチベーション低下につながり探究心、習熟度が向上しません。
それを理解したうえで社内外の研修やOJT、QCC活動などで経験を積んで頂くようにしています。


どんな方を採用したいですか
もちろん即戦力の方がいればと思いますが、どんな企業でもすぐ戦力になる方は少ないと思います。先ほどの自分の仕事に対する理解ができる人、そして努力を惜しまず前向きにチャレンジしていくことのできる方にお越し頂きたいですね。
社員と接する際に気を付けていることは
時間が空けば工場を回って声かけしています。私はディビジョン長という立場ですが、本社から来たのでなく津山で採用されましたので、みんな旧知の仲間といった感じで話しかけやすいですね。
−それにしてもきれいな工場ですね。
ありがとうございます。5S活動には10年以上前から取り組んでいます。徹底することで無駄や危険を無くすことができる上、見える化はもちろん見られることも意識しています。お客様を工場内にご案内する上で信頼・信用にも繋がる大事な活動です。
目標と課題は
この津山の地で継続してものづくりを行うことです。付加価値創造センターになろうと社員と話をしますが、津山で仕事を創造しそれを海外の工場に発展させていけるようにしたいと考えています。
スローガン「広げよう夢、感動!津山から世界のお客様へ!」は社員から公募したものですが、核は人材です。我々はpanasonicグループの中では地方の1工場に過ぎません。存在価値が無くなれば工場も無くなってしまいますので、危機感を持って存在価値を高めていきたいと思います。
また、地域貢献も課題ですね。会社も従業員も地域の一員ですので、地域の中でも存在感を出していけたらと考えています。
−会社としてはもちろん、従業員の方もOB・現役の方含めてかなり貢献頂いていますよ。
ありがとうございます(笑)。
H19年7月入社の資材調達チーム 山地 知恵さん(S54年生まれ)にお話を伺いました。

写真_山地さん
どうして入社しようと思いましたか
実は夫が先にこの会社に入社していました。私は前の仕事を辞めて当分専業主婦のつもりでいたのですが、やっぱり働きたくなってこっそり(笑)この会社に応募しました。
−こっそりですか、すごいですね(笑)
実は私と夫は以前名古屋の別の製造業の会社で働いていました。その会社では中国に出向して今と同じ資材調達の業務を担当していました。
入ってみていかがですか
前の会社と同じ資材調達といっても比べ物にならないくらい高い技術知識が必要で大変ですが、先輩や上司に丁寧に教えてもらって頑張っています。
前の会社より「人がいい」というか、距離感も近くみんな同じベクトルを向いていると思います。
津山の印象は
私は秋田出身なので冬も寒いとは感じませんし、絵になる風景も多く、津山弁も可愛いし(笑)とてもいいところだと思います。ただJRの本数が少ないのがちょっと不満ですね。
学生時代は何をしていましたか
柔道です。他には放送部に入ってMCをしたりしていました。
−なぜ放送部に
実は人前で話すのが苦手で、苦手だからこそ練習しなくちゃいけないと思い入りました。社会に出るとコミュニケーションをとることがとても大事になるので、やってよかったと思っています。
今、頑張っていることは
やはり自分の業務です。少しでも先輩に追いつきたいと頑張っています。
他には中国語ですね。

社会人になって感じることは
年齢に関係なくいろんな方と話する機会が増えるので、考え方など自分の幅が広がったように感じます。
これから就職する人にアドバイスするとしたら
働く時間というのは人生でのウェイトがとても高いと思います。だからこそ自分の中でより充実した形にできるようキャリアアップしようとしています。
まずは就きたい仕事に一生懸命エントリーすることだと思います。挑戦しなければ可能性は無いわけですから。
自社をPRしてください
男女問わずみんなの意識が高く、スキルアップ・スキルチャージに取り組んでいます。やる気があれば伸ばせてくれる環境がありますし、ものづくりを一貫してできる会社なのでものづくりに興味のある人にはとても魅力があると思います。
こっそり入社したのですが今では主人と「この会社に転職できてよかったね」と話しています(笑)。
H19年4月入社の技術グループ インプットデバイス設計チーム 影山 将来(まさき)さん(S59年生まれ)にお話を伺いました。

写真_影山さん
どうして入社しようと思いましたか
津山出身で島根大学に進みました。地元なのでこの会社の前を何度も通ったことがあり、会社の存在は知っていましたが何を作っているのかは知りませんでした。
大学で会社説明会があり、そこで人事担当の方とお話して会社の内容に惹かれ採用試験を受けました。
−ものづくりが好きだったのですか
はい、小さい頃からおもちゃを分解してまた組み立てなおしたりしていました。
ものづくりは最後に形になるところが面白いですね。
入ってみていかがですか、現在の仕事を教えてください
現在主に車の内装関係、カーエアコンなどに使用されるデバイスの設計をしていますが、大学では化学を専攻していたのでCADも使ったことがなく、すべて入社後ゼロから教えていただいています。
今、担当者として任された設計が製品になるかもしれないのですが、もしなればまた励みになると思います。
学生時代は何をしていましたか
小学校の頃からバスケをやっていますが、仲間とバカばかりやってましたね(笑)。一番の思い出はタイに旅行したことです。最後は行き当たりばったりで面白かったですね。
今、頑張っていることは
早くいい設計ができるように勉強しています。周りがすごい人ばかりなので、どんどん吸収したいと思います。また、英語もやっています。
ちなみに初めて主担当で進めている設計も、お客様、製造工場ともに海外なので、英語でのメールが基本です。自分の意見を英文にするのがとても難しく、今は先輩に助けてもらいながらやっていますが、これも早く自分でやりとりできるようになりたいです。

社会人になって感じることは
責任の重さを感じます。お客様との話でも私の言葉がpanasonicの言葉になるので、そうした意味でも自分を高めていくことが求められると思います。
趣味は
今もバスケをたまにやってます。それとポラロイドカメラでの写真撮影ですね。
−ポラロイドカメラは珍しいですね、フィルムも高いでしょう
はい、1枚200円くらいします。デジカメのように補正されたりしないのがいいですね。撮りなおしが効かないので、失敗しても「これは味がある」と自分の中で納得しています(笑)。
これから就職する人にアドバイスするとしたら?
志望する会社の人事の方かできれば現場の方とお話できればいいですね。
それと英語は大事ですね。自分の気持ちを英語で表現することは学校ではあまり学ばないので、意識して勉強してみてはどうかと思います。
自社をPRしてください
グローバルな製品を製造しており、その中には世界シェア1位の製品もあります。津山で高いレベルのものづくりができることと、やはり地元に根ざした会社なのでアットホームな雰囲気も魅力です。
この会社で成長してお客様に「いい製品だね」といわれるものづくりを極めていきたいと思います。
H18年4月入社の生産技術チーム 妹尾 匠さん(S58年生まれ)にお話を伺いました。

写真_妹尾さん
どうして入社しようと思いましたか
津山高専の電子・情報システム工学専攻卒業年次に先生から紹介があり、工場見学させてもらいこれはすごいと即断しました。実は私は広島出身で、今は市内で一人暮らしをしています。
現在の仕事を教えてください
製品を製造する機械(自動機)の設計をしています。
−仕事は順調ですか
まだまだです。専攻は電子・情報システム工学だったので機械製図は入社してゼロから始めました。先輩が優しく、時には厳しく(笑)、困ったときは助けて頂きながらやっています。
−先輩方の仕事を見て刺激をうけているみたいですね
目標は高いほうが自分自身成長できると思っています。先輩方の仕事は格段に早く、かつ正確で遠い存在ですが、先輩の書いた図面を見たり、本を読んだりして追いつこうと努力しています。

今、頑張っている事は
私生活の充実ですね(笑)。冗談ですそこは書かないで頂いて(笑)。
本当は自分の技術力の向上です。誰でも真似はできますが、製品が進化していく中で自分なりの新しいアイデアを出せなければと思っています。そのためには知識と経験の蓄積が必要なので、本当に真面目に(笑)やってますよ。
困ったことは
最初に海外からの電話を取ったときはてんぱってしまい、慌てて先輩に受話器を渡してしまいました。今はなんとか取次ぎができるようになりましたが、やはり英語力をつけなければと思います。
社会人になって感じることは
絶対学生より社会人のほうが楽しいですね。責任もやりがいに変えることができますし、金銭的にも余裕ができて会社の人と飲んだりすればいろんな話題があって楽しいです。
学生時代は何をしていましたか
5年間寮生活でしたしサッカーとバイトでまじめにやってましたよ(笑)。
−バイトはどこで
津山の名物店、焼肉千恵です。それと家庭教師もやってました。
これから就職する人にアドバイスするとしたら?
自分のしたい仕事があれば絶対最初にチャレンジするべきです。
例えば一度別のところに就職して1年で辞めた後に希望の会社を受けようとしても、実際難しいしすぐやめるようでは採用もしてくれないと思います。
面接では自分のキャラを出した上で採用されれば最高ですね。
自社をPRしてください
津山の地にいながら世界と仕事ができます。みんな意識が高く技能検定の取得者が壁に張ってありますが取るのが当たり前という雰囲気で、自分もやらなければと刺激を受けます。それでいてみんな親切で温かいですね。
それと、近くにイオンがあり帰りに買い物ができるので便利ですよ(笑)

編集後記
もし津山で人気企業ランキングを行えば間違いなくベスト3に入る企業だと思います。
実際に現場を拝見して作業環境の素晴らしさに圧倒されました。
津山で操業頂いて40年。既に退職された方も地域興しなど各方面で活躍頂いています。
今後も、誘致企業というより地場に根付いた企業として、この津山の産業界を牽引し続けて欲しいと思います。
(取材:小川、沼、町田)